母乳には、あかちゃんの食事だけではない役割があります。
その時々のあかちゃんの状態に応じ、オーダーメイドで組成された成分が込められ、あかちゃんを守ること( メディスン& ワクチン的役割)、そして母の乳首を吸うことで精神安定剤や睡眠導入剤にもなります。
そして母への恩恵は、乳房に吸い付く口元を見て我が子が愛おしく幸せをかみしめる心の安定、先の様々な疾患のリスクを下げること等など。
いろいろが詰まった母乳育児。この子が生まれたその日から、ずっとずっと続いてきた日々。
そんな大切なことへのサヨナラを人に委ねてもいいですか。「まだあげてるの⁈」「そろそろやめたら⁈」「もうみんなやめてるよ」などなどのご提言…。
周りの人はいろいろな見解を持っています。ただ、それはその人のものであり、お母さん自身のものではないですね。
日頃、お母さん方からやめる時期ややめ方について「どうしたらいいですか?」と問われることが多くあります。そんな時「貴女はどうしたいですか?」と問い返します。
私は答えそのものをお渡しすることはできませんが、お母さんがご自分の気持ちやわが子に向き合い、ご自身で答えをだす、ということに導くことはできるのかもしれません。
答えはお母さんご自身の中にあり、答えをだす力はきっとあります。
答えが見つからない間は、気持ちがあっちにこっちにと揺れながら続けてみてはいかがでしょうね。
自分ごととして決めることができた経験は、きっとその先の子育てに活きるはず。
母乳を与えることもやめることも自分次第、お母さんが決めたことに助産師は寄り添います。
結婚当初から幸区に住み、3人の子育て時期を過ごしてきた2001年に助産院を開設。母乳・授乳・育児相談、両親学級・母乳講座・ヨガクラスを開催。痛くない母乳マッサージが定評。現在、川崎市助産師会の会長として、川崎市の母子保健の推進に尽力。